スマホで撮った画像データが大量にネット上を流通する時代に、

機械式フィルムカメラで写真を撮ることには、

どんな意味があるのでしょう?

宝飾品の意味合いを持つ機械式腕時計や、

操作自体が快楽をもたらす自動車と違い、

カメラは写真という製品を生み出すための生産設備で、

それ故効率という呪縛から絶対逃れることはできず、

デジタルカメラへの進化は必然で、

決して後戻りはしないでしょう。

では、機械式フィルムカメラは全く存在意味を失ってしまったのでしょうか?

金属でできた機械式フィルムカメラを手に取ってみてください。

様々な意味で今よりも未熟なところはあっても、

間違いなく時間をかけて人の手が作り上げた製品たちには、

先人たちの努力の結晶としての力があり、

それが私たちに訴えかけます。

そう、

機械式フィルムカメラは今、

進化の樹形図から枝分かれし、

”歴史的文化遺産”という社会的役割を獲得したのです。

それでは、

そのような骨董機械ともいうべきカメラは

どうやって楽しんだらいいのでしょう。

私は、先ず沢山のお店を訪ね、

多くのカメラに触れてみることをお勧めします。



お店によって品ぞろえが異なるのは当然ですが、

並べられたカメラは同じ機種であっても、

お店によってずいぶん状態が異なります。

クラシックカメラは

製造されてからずいぶん時間がたっているので、

その間の使用状態や整備内容によって、

全く異なる商品になります。

ごくごく簡単な清掃を行っただけの物から、

OHを施し出来る限り新品に近づけたカメラまで、

当然異なる価格で商品になっています。

商品のありようはお店の考え方を表し、

いくつかお店を巡ってみて、

ご自分の考え方に沿ったお店を見つけてください。


クラシックカメラは、

使っているうちにいろいろなことが起こります。

それは必ずしも故障だけでなく、

使い方の疑問・注意点、買い替え・買い足し、

などなどなど・・・・。

カメラの購入はそのお店との付き合いの始まりです。

だから、店の考え方を理解していただきたいのです。

当店は、できるだけ長く使える機種を選び、

きちんと整備して気持ちよく使っていただけるよう、

努力しております。

そのため、店主が一台一台適切に整備を施し、

販売したカメラ、修理・整備をお受けしたカメラは、

最低でも一年は無償対応いたします。

それゆえ、

よそのお店よりは少し割高な商品構成かもしれません。

あまり手間をかけず、

リーゾナブルな価格でとにかく楽しんでみよう、

という考え方もあるでしょう。

しかし、

せっかく精魂込めて作り上げられた高品位製品ならば、

正しく整備を施して、その素晴らしさを正しく味わうことが、

先人への敬意を表し結果的に人間の良さを感じることになると、

私は思うのです。